以前の記事
”気づき”のメソッドというけれど・・・その2 で、
”気づき”がフェルデンクライスで価値を置いていると書きました。
同じようなことを北京五輪で4×100mリレーの最終走者として日本男子トラック種目
史上初の銅メダルをもたらした、朝原宣治さんがおっしゃっていました。
彼は選手としてドイツへ留学されたそうですが、そこでのトレーニングはユニークなもの
だったようです。
僕がドイツでやっていたのは技術練習ではなく、
一度、走る前にわざと崩してから走ったりするもので、たとえば、腕を前や後ろに回しながら
走ったりするんです。そうすると非常に走りにくい。
走りの邪魔になる動作をすることで、じゃぁ、邪魔にならないように走りましょう、という
身体に『気付き』を与えるような練習でした。
他にも後ろ向きや横向きに走ったり、音楽に合わせながら身体を動かしたり。
一見、走りに全く関係ないような動きを取り入れて、トータルに身体のバランスを整えたり、
刺激を与えて反射をみるような練習です。
”『LIVE』Vol.24 プロセスが「自分の走り」を極める。”よりこれってまさにフェルデンクライスじゃないですか~!って思ったのは私だけかしら・・・
フェルデンクライスのレッスンでも似たようなことをやります。
例えば、床の上で頭を転がすという動き、これは色々あるレッスンの中でよくやる動きなのですが・・
興味のある方は床に寝っ転がって試してみてくださいネ!ゆっくりやってください。
1.まず、床の上で頭を左右に転がします、この時、目を頭が転がっていく方向と同じ方に動かします。
右に頭が転がれば目も右に、頭が左に転がるときは目も左へ・・・という感じです。
何度か繰り返します。
2.次に同じように頭を左右に転がすのですが、今度は目の動きを頭と反対に動かします。
頭が右に転がる時は目は左に、頭が左に転がるときは目は右へ・・・
これも何度か繰り返します。
目が頭と逆に動くので、先ほどより頭が動かしにくいと思います。
この時、力を使ってグイグイやろうとしないで、やりにくかったら小さな動きにします。
速く動いてませんか?ゆっくり滑らかに動いてみましょう。
3.もう一度、1の動きに戻って頭を転がす動きに違いがあるかに注意をむけてください。
動きは軽いですか?”2”の動きはやりにくかったですか?
この動きは、私たちが日頃使う目の動きとはちょっと違います。
なので、殆どの人がやりにくいと思います。
でも、わざとやりにくい動きをフェルデンクライスのレッスンではやります。
敢えてやりにくい動きをして、どうしたらもっと軽く、ラクにできるか?ということを色々試します。
そのためには自分のやっていることに『気づく』必要があります。例えば頭と目の動きの方向を変えた途端、息を詰めなかったですか?
奥歯をグッと噛みしめませんでしたか?
首の後ろに力が入っていませんでしたか?目は柔らかくしていられましたか?
ラクにできるためには身体の動きをどこか変えなければいけないかもしれませんね?どこでしょう?
と、こんな風にどんどん自分の身体に『気づき』を与えていきます。
そうすると、元々の動きが努力感なく変化していることに気づくかもしれません。
朝原さんがフェルデンクライスを知っていらっしゃるかは分かりませんが、
彼が経験したトレーニングはとてもフェルデンクライス的だな~と思いました。
彼は、こんなことも語っています。
感性を磨けば、専門種目を極めるときも、考え方やひらめき、技術を習得するときのアプローチにも
非常に幅が出てくると思うんです。やっぱり調子のいいときや、走り方が良かったときは、ラクに距離や時間を
クリアできているはずなんです。
そのときのプロセスをちゃんと知っておくこと。それが大事ですね。朝原さんのようなトップアスリートぐらいになると、良い走り方とか良いフォームということだけでなく、
それをやっているときの感覚、どうやってそれをやっているのか?ということを
自分が知っていることが大事であるということを自然と分かってやっていらっしゃるんですね~
フェルデンクライス的ですごく共感できます。
長くなってしまいましたが・・・
フェルデンクライスに興味のある方!ぜひ一度レッスンを受けてみてくださいね!
■ 個人レッスン
個人レッスンの詳細はこちら
- 関連記事
-
スポンサーサイト